読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

hirschkalb's blog

"I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible that you may be mistaken."

質問が多すぎて忙しいプロジェクトリーダたちへの手紙

ソフトウェア開発の現場から

以下に当てはまるプロジェクトリーダは読まれたし。

  • 質問に回答してばかりで自分の仕事がすすまない
  • 自分がもう一人居ればいいのにと思う
  • 部下にやらせるより自分がやったほうがはやい
  • 新規参画者がたくさん来ても、むしろ邪魔だと思う
  • 経験者のアサインじゃないと嫌だ

教育をサボるな!

今から言いたいことをひとことで言えば「それはすべて、リーダ本来の仕事をすれば解決するのではなかろうか」ということです。


つまりは、教育です。教育をサボったつけが上記のようなおかしな考えを生むに至るのです。

「質問に回答してばかりで自分の仕事がすすまない」

なぜそのような事態に陥っているか考えたことがあるでしょうか?質問があなたに集中する理由は何だとお考えでしょうか?それは、質問者が誰に質問してよいか分からないからです。


新規参画者と呼ばれる人たちは、業務知識がゼロなのです。したがって、その人たちのためには「サポート窓口」を作らないといけない。なぜ業務知識が分からないのに、質問すべき適切な担当者を知ることができるのでしょう。


あなたはその質問を適切な担当者へ振るか、あるいはマニュアルを示すことでその場をしのぎます。


しかし、それはあなたの本来の仕事ではないでしょう。それは、むしろその「マニュアル」の仕事です。本来、マニュアルに担当者一覧が示されているべきなのです。

経験者とマニュアルの間違った存在意義

おそらくあなたの現場で行われている指導のフローは、「人」→「マニュアル」というものでしょう。


そして、適切なマニュアルへ導くには「人」=「経験者」でなくてはならない。だから、メンバを増やす際は経験者でなければ嫌だ、ということになる。


しかし、本来、理想の流れは「マニュアル」(この時点で問題が解決されるレベルのマニュアル運用でなければならない)→(しかし、必要であれば)「人」です。


この流れの形成をサボると、明日も同じようにメッセンジャーで、電話で、メールで、口頭で、各人がばらばらに、同じような質問を、繰り返し、あなたに投げつけるのです。


きっとあなたは、新規参画者に全体像を示すことも忘れているでしょう。だから、同じような質問が、時を隔てると同じ人から出てくる。


質問した本人は、全体像を与えられていないから、前に質問したことに対する回答が、いま抱えている疑問をも解決できる可能性など考えられない。


やがてあなたは質問を対処しきれなくなり、場当たり的に、散発的に、思い立ったようにいきなり打ち合わせを開催する。


これらを解決するのも、本来は「マニュアル」の仕事です。

繰り返される無駄な作業と「私がやったほうが速い」

私の予想では、現在、各メンバのローカルマシンには、別々に、同じようなことが書かれた色とりどりの手順書が埋もれていることと思います(何という無駄な作業!)。


すべては一箇所にメンテナンス性容易のマニュアル群を設ける作業をサボったつけ、教育をサボったつけです。

「私がやったほうが速い」

ごもっとも。そうでなくては困ります。あなたは、何年そのプロジェクトに携わっているのですか。まさか、新規参画者より速くこなせることを誇りに思っているのでしょうか?


このタイプのプロジェクトは、縦軸に生産性、横軸に時間でプロットすれば、
前半はそれなりの期待通りの成長を見せ、後半にしたがって、ゆるい傾きになり、
ここに試みに新規参画者を投入すると、急激に下降するカーブを描くものと思います。


なぜならば、質問が集中するからです。それに対処する「経験者たち」の「本来の業務」に割く時間が減るからです。


もっとも、「経験者たち」の「本来の業務」は「教育」だというのが私の主張なのですが。

産めよ育てよ

つまりいまあなたがすべきことは、メンバの何分の一でも、あるいはメンバ全体の時間の何分の一を割り当てるといったことでも良いですが、これまで有志によるばらばらの作業であった「メンバサポート」機構を集中的に一箇所に作り上げることです。


具体的には、マニュアルを一箇所にまとめる。メンテナンス責任者を立てる。
新規参画者教育担当を設ける。一時的に生産性が下がるのは当たり前です。将来、彼らが「教育側」に回ってくれるよう、いま丁寧に説明する。


おそらく一時的に生産性は急降下するでしょう。しかし、このような機構を設けたプロジェクトは、新規参画者を投入してもオーバーヘッドが最小で済み、経験者をアサインするコスト等を鑑みると、かえって「お得」といえるのではないでしょうか。


だいたい、「経験者」なんてそうそういるものでもない、非常に限られたリソースです。繁殖活動を行わないで「もう一人私が居ればいいのに」と願っていても何も変わりません。


子供を生み、育てないと、年をとったときに面倒を見てもらうためのコストは高いものとなります。*1

追伸: 進捗報告で「メンバーサポート」と書くのを止めなさい

進捗報告で「メンバーサポート」と書くのを止めましょう。それはなぜか。


それは、プロジェクトメンバとしてメンバをサポートするのは「当たり前の業務」だからです。あなたは、進捗報告で「電話対応」とか「メール対処」と書くのですか?

*1:まあ、別に面倒を見てもらうために子供をもうけるといっているのではありませんが。

広告を非表示にする