hirschkalb's blog

"I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible that you may be mistaken."

会社を辞めようか迷っているひとへ

書く前から長文になりそうな予感がぷんぷんいたしますので*1、結論から先に。

会社を辞めたいのならば、辞めてはいかがでしょうか。


うなずかれた方は、以降、とくに読んでくださらなくても結構です。その思いのまま、明日にでも、上長と相談されることをおすすめいたします。

悩みに対する答えはおそらくすでに出ている


辞めた後の不安を考えたらきりがありません。収入が0になること、貯蓄額が心もとないこと、履歴書にブランクができること、物を売るにも職業欄に「無職」と記す生活が待っていること、就職氷河期のいま、果たして次の職を探せるのか不安なこと、そもそも退職とは「逃げ」であるという考えなど、退職後の生活については不安要素でいっぱいです。


しかし、ここでいったん将来について考えるのをやめ、辞めたいと思わされるような環境にいる現在の境遇について、少し考えてみたいと思います。


自分のケースで恐縮ですが、私は5年弱、いわゆるシステムエンジニア(SE)とか、あるいはプログラマとか、はたまたソフトウェアテストエンジニアとか、実のところ単に「プログラムを組むサラリーマン」とか、そういった肩書きで働いてきました。今年の1月で退社し、現在無職です。


入社初日から、退社時間は22:00でした。2日目以降、新人研修の課題に取り組みましたが、どうにも頭に入ってきません。課題の進捗率は同期の中で一番悪く、提出したものには欠陥が多々ありました。指導していただいた上司には私の不出来のために休みの日にも出ていただきました。世の中が超大型連休に入った中も出勤し、実家からわざわざ来てくれた家族とは会社近くの飲食店で休み時間を利用して15分ほど話した後に別れ、会社に戻り、課題の続きに取り組みました。


当時、私の中には、

「1年目で仕事が『向いている』も『向いてない』もあったものじゃない。仕事ができないのは自分が新人であることの何よりの証拠であって、1年以内に適不適を論ずるのはおこがましい」


といった思いがありました。したがって、いま思い返せば、入社初日早々「ここは私が居られる場所ではない…!」と直感でははっきりと気づいていたものの、その思いを必死で押し殺し、積極的に「苦労を買い」続けていったのです。


一般的に、年次があがるにつれ、自分のできることは増えてゆき、実力がついたことも実感できるようになっていくものなのだろうと思われます。しかし、私の場合は反対でした。年次があがるにつれ、いよいよこの業界に向いていないことが明確になっていったのです。ひどいときは新人のころですら見られなかったような初歩的な失敗を犯し、数秒前に準備していた作業の意味はすっかり忘れてしまい、同じことを何度も繰り返し、だんだんと文字通り「何をしているのかわからない」状態になり、社員として(以前にもましてさらに)まったく使いものにならない状態にまでなりました。


最終的に、以前から「うつ病なんて単なる怠けだろう」と考えていた私自身が、心療内科の門をくぐることになったのです。


完全に役立たずと化した自分の価値はもはやないと思い、自死を強く願うことが多くなりました。


「科学的ではない」言い方をすると、私の身体はおそらくは、

「入社当時よりはじまり、歳を重ねるごとに薄らぐどころかますます強まる『辞めたい』という気持ち、それをここまでも無視し続けるのならば、お前はよほど病院送りにでもされなければ、退職を考えてくれはしないのだな」


とでも考えたのかもしれません。私の身体は、頭痛、腹痛、吐き気、だるさなど感覚にわかりやすい不具合をどんどんあげていったのです。


病院にお世話になる段階まで来ると、回復にはしばらくかかります。私はかれこれ通院してから一年が経ちますが、状況は一歩進んでは二歩下がりです。会社を辞めていなければ二歩下がるどころか、死に向けてまっしぐらであったろうと考えます。


辞めようか悩みながらこの文章を読んでいただいている方には、万が一病院にお世話になる前に、引き返してほしいと思うのです。


辞めようかどうか悩む、迷う。そのようなとき、多くの場合はきっと答えが出ています。辞めた方がよいのです。責任は取れませんが、責任は取りますといいたい気持ちです。世の中には自分の不適正に気づく機会が与えられないまま、一生を得意ではない分野に注力するひともいます(そのことに最期まで気づかない*2のならば、それはそれで幸せなのかもしれません)。不適正に気づくことができたならば、その気づきを無視しないことが望ましいように思います。

劣悪な環境や不適正は自然災害と同様に考える


辞めた後の将来のことを考えると不安になるかもしれませんが、将来を気にするあまり現在にしがみつき、万が一自死になど至ったら、その心配な「将来」すら存在しなくなるのです。


私が思うに、「辞めたい状況」とはこのようなものです。

津波が急速に迫ってきている。逃げたい。逃げないと飲み込まれてしまう。


つまり、「辞めたい」とは、「逃げたい」と同意であると思うのです。そして上記のような場合、「逃げ」は恥ずかしいであるとか、みじめであるとか、そういった問題ではないと考えられます。津波が迫ってきて身を引くのは、何を隠そう、「逃げること」です。そして、逃げてよい。逃げてよいというか、逃げなければならない。


このことを踏まえて、先に「そもそも退職とは『逃げ』であるという考え」と書きましたが、退職はおそらくは「逃げ」です。逃避です。そして、この場合ならば、逃げることはきっと正しいことなのです。

*1:ごめんなさい。論理的に短く簡潔に書く時間と気力と能力がありませんでした。

*2:もしかすると、会社勤めそのものに適性がないのかもしれません。

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