hirschkalb's blog

"I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible that you may be mistaken."

工学的武術と科学的武道と

ここはひとつ、テレパス(テレパシーを持つ者)がいると想像してみましょう。人の心が読める彼/彼女は、どんな相手と戦っても百戦全勝。なぜなら相手の出す手はすべてお見通しだから──なんてことはありうるでしょうか。

効率的な相手と戦いたいテレパス


きわめて意識が明瞭としていて、かつ、確実な技術をもった相手、すなわち、右拳でこちらの左頬を狙うという意識が灯ったならば意識したとおり拳をこちらの左頬に繰り出してくる──そのような相手と戦うならば、テレパスに勝ち目はあるかもしれません。読心結果をそのまま疑いなく利用できるからです。*1


が、技術を伴わない相手の思考を読んだ場合はどうでしょう。足元にあった小石に躓き、繰り出した右拳はこちらの左脇腹にあたってしまう可能性もあるわけです。読心結果をそのまま疑いなく利用することができないので、せっかくのESPも生かせず仕舞いの恐れがあります。*2


前者のような優秀な相手を、「効率的な相手」と呼ぶことにします。思い描いたプランをそのまま実際の行動に移すことができるさまを「効率的」と表現するのです。テレパスにとって「効率的な相手」とは、テレパスが読心すれば勝てる見込みの大きい相手です。

偶然を味方につけたい一般人


別の視点から、つまりテレパスと戦う一般人の立場から戦略を練ると、「相手のテレパシーを無力化するため、支離滅裂・無秩序・でたらめな思考で対せよ」ということがいえそうです。はたしてこれでいいのでしょうか。


もしくは「無の境地で臨め」というアドバイスもありそうですが、これを鵜呑みにしてしまってよいものでしょうか。


前節から、テレパスが好むのは効率的な相手だろうといえます。よって「非効率であれ」という戦略がよさそうなものですが、いったい「非効率」とはどういったスタイルをさすのでしょうか。

  • 意識に上ることなく脊髄反射的に拳を繰り出せること?
  • 武術の素養がないこと?
  • 自らの意識を欺くことができること?
  • 常に不安定な足場に身を置くこと/不安定な状態を利用すること?
  • 目隠しをしたサルにダーツを投げさせ、当たった的に書いてあるとおりの技を繰り出すこと?

まとめられない


一応、一定の結論めいたものを脳裏に用意しながら書き始めたのですが(タイトルが漠然と示唆的なのはそのためです)、書いているうちに焦点が定まらなくなり、描いていた結論も雲散してしまいました。


本文をすべてクリアしてなかったことにしてもよいのですが、なんだかもったいないような気もしているので、これを「ひまつぶし」にカテゴライズすることで本エントリーの命脈を保つことにいたします。

*1:もちろん、確実に予測できることと、それに対処できることとは別のことです(大地震を予測できることと、それに耐えうる建物を建てる技術とは別のことです)。しかし、後述の場合よりは「テレパシーを生かす余地がある」ということはいえましょう。

*2:小石に躓いて体勢を崩すような相手の拳ならば、左脇腹に入ったところで大して痛くもなかろう、ということはいえます。しかし、ここで述べているのは「テレパシーを生かす余地がさほどない」ということです。

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