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hirschkalb's blog

"I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible that you may be mistaken."

時相論理とカキフライと判例

「カキフライが無いなら来なかった」

  • いずれにせよいま店の中にいる(∵「行かなかった」ではない&無いことは入店しないと判明しない)★
  • カキフライがあると思ったので来た▲
  • 今回はカキフライが目当てである■
  • カキフライの有無が店に行くか行かないかを左右する◆

「カキフライが無いと事前にわかっていれば来ることはなかった(が、来ている)」

  • 店に行く前にカキフライがないと知っていれば店には行かない
  • 店に行く前にカキフライがないとは知らなかった▲
  • 店に来るまでカキフライがないことは知らなかった▼
  • 店に来るまでカキフライがないことを知ることは不可能だった▼
  • 店に来た★

Finally

★「結局、店に来ている」Fc

★「結局、店の中にいる」Fe

★「結局、店に向かった」F

文脈上、来店も入店も向店(?)も同じ意味なので統一する。

★「結局、店に来た=入った=向かった」Fe

Until

▲「店に入るまでは、カキフライがあると感じている」fUe

Release

▲「店に入ると、カキフライの存在を感じる状態が解除される」eRf

この場合、カキフライはあってもなくてもかまわない。いずれにしてもカキフライの有無を《知る》こととなるので、もはや《感じる》ことはできなくなる(*)。

Next

▼「店に入ると、カキフライの有無を知るところとなる」eNk

*「カキフライの有無を知ると、その有無を《感じ》られなくなる」kN~f

*「カキフライ有無情報は、期待感を解除する」kRf

Globally

◆「カキフライがなければ、将来にわたって入店することはない」kG~e

Exists

■「いずれカキフライを食べたくなる日が来る可能性がある」EF.o

ところで、

「カキフライが無いなら来なかった」

  • 入店前にその店にカキフライが無いことを知れば入店しない
  • 知らない場合については入店する可能性も入店しない可能性もあり
  • 現に今回は入店している

分解すると、

「入店前にUe

「カキフライ不提供の情報を知ること」k

「入店しない」~e

あるいは「入店行為から開放するR

 ということは、

「カキフライが無いなら来なかった」E((kUe)Re & eNk)

  • 本件客人(以下客という)はカキフライを食べたい
  • 客はカキフライが本件飲食店(以下店という)で提供されていると感じる
  • 客は、店で実際にカキフライが当日提供されうるか(厳密には客の店到来時点において、店が客要求分量のカキフライを提供可能であるか)どうかを、入店に先立って知ることができない(付言すれば、客自身の要求分量についても入店後の情報が得られるまで確定できない)のだから来店するしかない
  • 結果としてカキフライはないことが判明した

(実験)

客の推測に関して、一般的に定食屋においてはカキフライを食べられることができる場合があるとしても、立地および物流または営業時間帯等の関係においては、右推定の適用については慎重でなければならず、入店直後のカキフライ不提供を知ることによる絶望感を犠牲にしてもなお当該無活動感を免れしめて客のセンチメンタル感を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて右推定の適用の是非を考えるべきものである。そして、右推定中の判断に当たっては、少なくとも、店が定食屋であると表示したことにより、客がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ、のちに右表示に瑕疵はないもののカキフライは提供されておらず、そのために客が絶望感を受けることになったものであるかどうか、また、客が当該定食屋の右表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて客の責めに帰すべき事由がないかという点の考慮は不可欠のものであるといわなければならない。

電話すればよかったとかいうのは置いといて……。それは情緒的じゃないし、なんといっても『カキフライが無いなら来なかった』(せきしろ又吉直樹幻冬舎文庫)を読めなくなっていただろうから。

 

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