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hirschkalb's blog

"I beseech you, in the bowels of Christ, think it possible that you may be mistaken."

復原の余裕

ひまつぶし

ユリの地元はようよう新幹線が開通しようかという時分であり、突貫工事で駅舎が新築されているというのに、一方東京駅の方は「昔の姿に復元しよう」だなんて、まるで貴族の道楽のようだ。

(「お嬢さんたち気をつけて」──『かわいい結婚』(山内マリコ、講談社))

そういう見方もあるのか、と笑ってしまいました。しかし、本当にいい建物だと思うね。そしていい仕事だったのだろうなと思う。それは道楽という名の非常にいい趣味であり、文化の伝承であり、過去の職人たちとの対話であり、わたしたちは贅沢かつ崇高なことをできるのだ、という余裕の表示であり、それはじんわりと観客にもしみこむ安心感といいますか滋味といいますか。貴族みたいな道楽はぜひやってもらわないとこまる 、と思うところがありますね。

ともかくこの作家の作品はほかもぜんぶ読みたい。

 

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